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壮大なチェス盤・・・グルジア紛争は単に次への布石にすぎない

このニューズレターは著者デーヴィッド・アイクの承認を得て翻訳されたものであり、著作権は著者に帰属します。英語原文に興味がある方は、David Ickeのサイトから購読できます。

デーヴィッド・アイク ニューズレター、2008年8月17日号

壮大なチェス盤・・・

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・・・グルジア紛争は単に次への布石にすぎない

皆さんこんにちは。

先週のグルジアにおける出来事は、私が何年にもわたって強調してきた主要素を含んだ古典的な性質のものだった。

我々は大きな状況(ピクチャー)の中に小さな状況(ピクチャー)を経験している。主流メディアの宣伝機構(プロパガンダマシーン)は起こっていることについて公式に、しかもあからさまに虚偽の見解を報道している。そして、その状況の裏には、よく耳にする名前と組織が隠れている。

小さな状況(ピクチャー)でさえひどく誤って伝えられていて、このゲームのより広範な理解から如何にかけ離れているかなど一切気にしていない。我々は繰り返される操作によって、小国グルジアと南オセチアの「反乱地域」がロシアという巨悪な熊に侵略され、全ての責任はロシアにあると信じるように先導されている。

およそ二千人が殺され、六千人が立ち退きを余儀なくされたと見られているが、それは全てロシアのせいであると伝えられている。私はロシアの事実上の独裁者ウラジミール・プーチンを信用しているわけではない。しかし、ここにはもっと知るべきことがある。

実際のところ、グルジアの大統領ミヘイル・サアカシュヴィリが南オセチアに対し軍事攻撃を行うよう命じた。南オセチアは国際的にはグルジアの領土と認知されているが、自治を求め独立して行動することを望んでいる。これがグルジアの首都トビリシ当局の逆鱗に触れているのだ。

南オセチアは、旧ソ連崩壊後にロシア領となった北オセチアからコーカサス山脈を隔てた位置にある。

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モスクワは、南オセチアの多くの人々にロシアのパスポートを発行している。この地区が自称「独立国家」として機能するには、ロシアの後ろ盾が不可欠である。このパスポートのことがあって、さらに南オセチアのほとんどの人々はグルジアではなくロシアを彼らの援助と防衛の源であるとする事実があるので、北京オリンピックがちょうど始まった八月七日の夜にグルジアが南オセチアに対する軍事攻撃を命令した後、現ロシア首相ウラジミール・プーチンとその操り人形としての大統領ドミトリー・メドベージェフは「我らが国民を守らなければいけない」と言った。

ロシア軍が南オセチアに進行したのは八月八日だ。グルジア軍を追い払い、そして明白にグルジア領土である地域に侵入し、今これを書いている時点でそこに駐留している。ロシア軍はアブハジア自治共和国にも進行した。アブハジアは一九九九年にグルジアからの独立を宣言したが、グルジア政府はいまだにその領有権を主張している。

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伝えられるところによると、「停戦合意」はフランス大統領のニコラス・サルコジを介して行われた。ニコラス・サルコジは最近EUの表看板であり、現在フランスがその六か月交代制の超国家大統領の座を占めている。だが、ボニー・タイラーの歌の一節を引用するなら、この全体的な状況は「火花を散らしている火薬庫の中に座っている」ような平和状態、ということになる。

現ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフは現時点で、ロシアは南オセチアとアブハジア自治共和国をグルジアからの独立を保障する為に支援すると表明している。これはグルジア政府にその二つの反乱地区を力づくで押し戻す考えをあきらめさせるという意味だ。これらの地域は将来の紛争へのとてつもない潜在性を秘めている。

だがもちろん、このことはグルジアや南オセチアもしくはアブハジア自治共和国にとって正しいということではないし、人々にとっては間違いなくなんの利益もない。これは世界規模のチェスゲームの一部だ。グルジアについてはアメリカとイスラエルの動きを読み、南オセチアとアブハジア自治共和国については、表向きは別として、このグルジアの二つの「独立」地区を事実上支配しているロシアの動きを読むことだ。

それで、本当のところどういう意味かって?

この大陸はユーラシアとして知られている。この大陸は、地球上の10.6%を占め、陸上の36.2%を構成し、そして46億人もしくは、69%の人類の住む場所である。う〜ん、でかい。

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アメリカは最も力を持つ国であると、少なくとも現時点では見られているが、本当の力はユーラシアにあり、語られることの無い戦争がアメリカ、ロシアそして勢力を拡大する中国との間で続いている場所でもある。

そう、その通り、これらの武力衝突、混乱、もしくは紛争地帯とその国々は公式には、グルジア、チェチェン、ダゲスタン、アフガニスタン、パキスタン、イラク、イラン、北朝鮮等々ということになるだろう。だが、その背後にいて、チェスの駒を動かしている勢力は、アメリカ、イギリス、EU、ロシアと中国だ。

その主要列強の駒もしくは標的である、グルジア、チェチェン、ダゲスタン、アフガニスタン、パキスタン、イラクそしてイランのような多くの国々は、戦争に巻き込まれているか、戦争の標的にされているかのどちらかである。そして、これらの国は主な要素を共通して持っている。カスピ海に接しているか、もしくは、陸に囲まれたカスピ海から大海に通じる、既存または計画中の石油やガスのパイプラインにとって重要な地域であるということだ。

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どうしてかって? カスピ海周辺地域は大量の石油とガスを備蓄している。そして、誰であれそれらを制する者は、計り知れない影響力と実質的な支配をさらに広い世界に対して持つことになる。

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カスピ海沿岸地域は、新世界秩序(ニューワールドオーダー)陣営の豚の餌箱になっている。列強は、それぞれの代理国に「指導者」と政治体制を樹立させ、彼らを利用して石油とガスを埋蔵する地域を制するために互いに戦わせている。

ロシアとその反乱地域チェチェンとの紛争はカスピ海沿岸に位置するロシア領ダジスタンにまで及んでいたが、こうした紛争はすべてその例である。そしてこのチェチェンとダジスタンはどちらも最近の紛争地点であるグルジアに隣接している。

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グルジアで起こっていることは、アメリカ、EU、ロシアと中国による世界規模のチェスゲームの中であちこちに起こっていることの青写真と直結している。彼らは国を乗っ取るために代理の政治体制を樹立するか、彼らが転覆を狙う政府に対して戦争を仕掛けさせるために「反乱軍」に武器や資金を提供する。そして他の競合する列強のひとつによって制されるのも彼ら自身なのだ。

アフガニスタン以外にこのことをより色濃く物語っている国は他にない。アメリカは一九七九年から一九八九年にかけて行われた旧ソ連によるアフガニスタン占領に対抗させるために、いわゆる「ムジャヒディン」の兵士に武器と資金を提供し、訓練を施した。アメリカ政府とその隷属国家サウジアラビアはムジャヒディンに「反乱」への公の注目を集めるべくオサマ・ビン・ラディンと呼ばれる「指導者」を就任させた。

アメリカとイギリスに訓練されたムジャヒディンは後にタリバンとなった。そして「アルカイダ」とは「データベース」を意味する。なぜなら、ソ連と戦うために訓練されたムジャヒディンに関してCIAで作られた名簿のデータベースに由来するからだ。

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この全てを扇動している男は、一九七七から一九八一年にかけてジミー・カーター政権で国家安全保障担当補佐官を務めたズビグニュー・ブレジンスキーである。彼は十年前、『Le Nouvel Observateur』というフランスのニュース雑誌に、彼とアメリカの秘密作戦について明らかにした。ソ連がアフガニスタンを侵略する「前」に、ムジャヒディンに武器と資金を提供し始めたことにより、ソ連がアフガニスタンを侵略する「可能性を故意に高めた」と。

この策略は、当時の首都カブールでソ連が支配していたアフガン体制に対する秘密に操作された武装蜂起を阻止するために、ソ連がアフガニスタンに侵攻するのを誘導したものだ。ソ連はその餌に食いつき、少なく見積もって百万のアフガニスタンの人命を犠牲にする十年にわたる大量虐殺が展開された。

世界のメディアはこれをソ連対アフガン反乱軍と報道したが、実際はソ連対アメリカというのが真実だ。ムジャヒディンは事実上、アメリカの前線部隊だった。ブレジンスキーとLe Nouvel Observateur誌の間のやり取りは、今週グルジアで起こっているような操作された紛争の裏にいる気違いどもの精神性が現れている。

質問: 前CIA長官のロバート・ゲーツ氏が本人の記憶によると、ソ連侵攻の六カ月前にアメリカの諜報機関がアフガニスタン内部のムジャヒディンに援助を始めたと述べていました。この期間にあなたはカーター大統領の国家安全保障担当補佐官でしたね。そして、この出来事の中で何らかの役割を担っていたということで間違いないでしょうか?

ブレジンスキー: そのとおり。公式な歴史解釈によると、CIAのムジャヒディンに対する援助は一九八〇年に始まった。もっと詳しく言うと、ソ連軍がアフガニスタンを侵略した後の一九七九年の十二月二十四日だったが。しかし、現実は(これまで内密に守られているが)全くの正反対だ。実際には、カーター大統領がカブールの当時のソビエト連邦体制の敵対者への秘密援助に関する最初の命令に署名をしたのは一九七九年の七月三日だった。そして、まさにその日、私は大統領にメモを書き、そのメモの中で、この支援がソビエトのアフガニスタンへの軍事介入を誘発するだろうという私の意見を説明した。

質問: そうした危険があるにもかかわらず、あなたはこの秘密活動の支援者でしたね。だが、あなた自身はおそらくソ連が戦争へ参加することを欲し、彼らを挑発することを期待していたのではないですか?

ブレジンスキー: それは正確ではない。我々はロシアの介入を後押ししたのではなく、彼らがそうする可能性を故意に高めていたのだ。

質問: ソ連がアメリカによるアフガニスタンへの秘密関与に対し戦う意思があると主張して自らの介入を正当化した時に、人々は信じませんでした。しかし真実の根拠はあった。あなたは今何か後悔することはないですか?

ブレジンスキー: 何を後悔するのかって? あの秘密活動は素晴らしいアイデアだった。あれはロシアをアフガンニスタンに用意された罠に引き込む役割を果たした。そして、それを君は私に後悔して欲しいのかい? ソ連が公式に国境を越えたその日に、私はカーター大統領に、我々は今ソ連に彼らのベトナム戦争をさせる機会を得たと書き送った。実際、十年近くの間モスクワは政府の支援のない戦争を行わなければいけなかった。その紛争が混乱を招き、最後にはソビエト帝国を崩壊に導くでしょう、という手紙を書いたのだ。

ブレジンスキーのような輩にとっては全てがゲームだ。それが引き起こす虐殺や苦痛の規模などは関係ない。そして、彼が「The Grand Chessboard: American Primacy and Its Geostrategic Imperatives(New York: Basic Books, 1997)[壮大なチェス盤―アメリカの第一義とその地理戦略的義務](訳注:邦題は『地政学で世界を読む』)という本を出版したことは何も驚きに値しない。この言葉が世界と人間の命がこのような精神的にいかれた連中にとってどういうものかを物語っている――「チェス盤」にすぎないと。

そして、この本に書かれているブレジンスキーがこの「チェス盤」の上で焦点を合わしているものは何だろうか? 世界の中の巨大な地域……ユーラシア。

彼はこの地域を「最高位の賞品」と呼んでいた。

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世界規模の陰謀を理解したいと望んでいる人は誰でもズビグニュー・ブレジンスキーの背景を知らなければならない。彼はワルシャワ生まれでポーランドの外交官であるタデウシュ・ブレジンスキーの息子である。ブレジンスキーの父親は一九三一年から一九三五年にかけてナチスが台頭したドイツに任命され、家族と共に移り住んだ。その後に一九三六年から一九三八年にかけて行われた、スターリンの「大粛清」当時のソ連に移った。スターリンはその粛清の中で百万から二百万の国民を殺した。

タデウシュ・ブレジンスキーは最終的にカナダに行くよう任命され、彼の息子はアメリカの市民権取得後にその名を彼自身で改めた。ズビグニュー・ブレジンスキー、外交政策の「賢人」にして「大物政治家」、は英国を基盤にする円卓会議ネットワークによって生み出された。そのネットワークは、英王立国際問題研究所(チャタムハウス)、ビルダーバーググループ、外交問題評議会と三極委員会を含んでいる。

一九七三年までに、ブレジンスキーはそのネットワークとかなり深く関係し、彼はディヴィッド・ロックフェラーと共に三極委員会を設立するに至った。そして、自称ブレジンスキーの「熱心な生徒」であるジミー・カーターが、一九七六年の選挙で三極委員会からの初の大統領になった時、彼の外交政策における教祖的存在であるブレジンスキーを国家安全保障担当補佐官に任命した。

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その背後には、ブレジンスキー(ジミー・カーターを操る人形師)

ブレジンスキーは一九七〇年に、Between Two Ages: America’s Role in the Technetronic Era(二つの時代の間:情報化時代のアメリカの役割、邦題『テクネトロニック・エージ』)という本を書いている。その中で、四十年近くも前に、彼とそのご主人様達が押し付けようと企んでいた国際社会を次のように描いていた。

「情報化時代はさらに統制された社会の漸進的な出現を伴う。そのような社会はエリートに支配され、伝統的な価値観に縛られることはない。全ての市民に対する継続的な監視を断行し、市民の個人情報さえも含む最新の完全な情報への更新が維持されることを可能にする。これらのファイルは当局によって瞬時に検索を受けるだろう。」

一九七〇年の同じ本でこうも言っている。

「今日、我々は再び超国家的エリート集団の出現に直面しつつある。……その誰もが国境を超えた結び付きを遮断されている……。そう遠くない将来、先進諸国のほとんどの社会的エリート集団は、その精神、見識共に高位の国際主義者もしくは世界主義者になるだろうと予想される。……国家は統治権を徐々に譲歩するようになり、…いずれはさらに多大なアメリカ人の犠牲が必要になるだろう。世界の新しい通貨構造を形成するさらに徹底した努力が行われなければなくなり、そして最終的には、現在の比較的有利なアメリカの地位はある程度の危険に脅かされるだろう。」

どちらの引用文もこの何十年も後の私たちの現在の状況を描写している。理由は、ブレジンスキーはすでにそのプランについて知っていたからであり、彼はそれ以来ずっとその状況を引き起こすために活動している。

そして今週のグルジアである。ブレジンスキーが「ユーラシアのバルカン」(訳注:バルカン半島は現在でも世界の火薬庫とみなされている)と呼ぶ莫大な石油と天然ガスの埋蔵量を誇るカスピ海沿岸地域にこの国は位置している。ブレジンスキーは著書『壮大なチェス盤(The grand chess board)』の中でこう書いている。

「……アメリカがユーラシアをどのように“管理する”かというのは決定的に重要な意味を持つ。ユーラシアを制する権力は、世界の最も先進の経済的に生産的な三つの地域のうち二つを支配するだろう。単に地図に目を向ければ、ユーラシアを制すれば、ほとんど自動的にアフリカの従属を含んでいることが示唆されている。西半球とオセアニアは地政学的にこの世界の中心大陸には重要でなくなる。世界の約75%の人々はユーラシアに暮らしている、そして世界のほとんどの物質的な富もそこに集中しているのである。どちらもその企業の中とその土壌の下にある。ユーラシアは世界の既知の資源のうちで四分の三を占めているのだ。」

ブレジンスキーは、アメリカがその権力を中近東とカスピ海沿岸地域で保持するためには、それらの地域がアメリカを排除する目的で中央の統制に従うか同盟に合意することで一体化することを阻止しなければならないと語っている。彼のこの戦略は単純である――分断と統治。もしくは、彼自身の言葉を借りると…

「これをもっと残虐な時代の古代帝国を想起させる専門用語で説明すると、帝国の地政戦略学の三つの非常に重要な規範とは、共謀を防ぐこと、隷属者同士の安全な依存状態を維持し、属国に対しては従順なまま保護すること、そして野蛮人が団結するのを防ぐことであった。」

グルジアにおける統制と操作はこの戦略の一部である。そうしてみるとあなたは、南オセチアに対する攻撃を命じたグルジア大統領ミヘイル・サアカシュヴィリがズビグニュー・ブレジンスキーと彼のイルミナティ連合の指人形と知ってもなんら驚きに値しないだろう。

そしてブレジンスキーは、次のアメリカ大統領と有力視されているバラク・オバマの後ろ盾である。現在このチェス盤上の動きは不明瞭になっていき、とてつもない早さで事態は動いている。

ミヘイル・サアカシュヴィリは、CIAの工作による「市民革命」もしくは「バラ革命」によってグルジアの権力者に祭り上げられた。この革命は当時の大統領であったエドゥアルド・シュワルナゼに対する民衆の公的なデモ行動によって引き起こされた。サアカシュヴィリを含むバラを持った参加者たちが国会議事堂を乗っ取った後、シュワルナゼがそこから逃走した時に革命は最高潮を迎えた。

赤いバラはイルミナティの主要なシンボルであり、彼らのエリート秘密結社の一つは薔薇騎士団(the Order of the Rose)と呼ばれている。

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グルジアの国旗(テンプル騎士団秘密結社のシンボルであり、セント・ジョージの旗としても知られている)がブレジンスキーの傀儡サアカシュヴィリに権力を与えた民衆のデモの上で翻っている。当時の大統領エドゥアルド・シュワルナゼは、二〇〇三年のグルジアのセント・ジョージ祭の日に辞職した。

バラ革命の背後に潜む主要な資金提供者のひとりに、ユダヤ人であり、イルミナティの資本家であるジョージ・ソロスがいた。ソロスは財団と組織からなる複雑なネットワークを保持し、これを介して、アメリカとイスラエルのエリート集団と結託して、世界中の国々を操作している。このソロスのネットワーク、特に彼のOpen Society Institute(開かれた社会財団)が、集団による抗議行動の技術を学ぶグルジアの学生たちに訓練と資金を提供し、デモを先導した反政府的なテレビ局にも資金を提供した。

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ジョージ・ソロス

The Georgian Messenger誌の編集長であるザザ・ガチェチラデは、「ソロス氏がシュワルナゼ打倒を計画した人物であるということは、ここでは一般的に受け入れられている世論です。」と言った。

ソロスはまた、ブレジンスキーと同様にミヘイル・サアカシュヴィリとは親しい「間柄」(主と従の「間柄」という定義で)でもあり、この男を彼らはグルジアの大統領として擁立した。サアカシュヴィリはワシントンDCのジョージワシントン大学とニューヨークのコロンビア大学法律学部(ブレジンスキーとオバマの大学)の卒業生だ。彼はアメリカで訓練され、ブレジンスキーとソロスのネットワークが操っている多くのエージェントのうちのひとりである。彼はバラ革命後のグルジア新政府でソロスとブレジンスキーに仕えるために準備、教育された。

ところで、ブレジンスキーはオバマの「外交政策アドバイザー」(実際には彼の助言者であり操作者)である。そして誰がオバマの主要な資金源のひとりだと思う? そう、ジョージ・ソロスだ。

だからもちろん、オバマが今週グルジアと南オセチアで起こった全てをロシアのせいにしたとき、オバマは彼らの歌詞カードを見てさえずったということだ。

この「バラ革命」は市民による革命ではまったくない。この「市民」はまるで景気づけの音楽を煽動するためのバイオリンとして利用された。それはアメリカとイスラエルにあるイルミナティ・ネットワークによるグルジアにおけるクーデターであり、現在彼らが統制し操作しているグルジア市民の活躍により実現したものだ。幾度となく、非常に多くの国で同様のことが起こっている。

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ミヘイル・サアカシュヴィリ

サアカシュヴィリは、アメリカとイギリスによる侵略(アメリカはロシアが侵略した後、その軍を即時に撤退させた)を支援するためにグルジア軍をイラクに送り、NATOへの加盟を迫った。このワシントンとテルアビブの阿呆人形が全貌を知ってか知らずか、彼は単に「ロシアの餌」と呼ばれる遥かに大規模なゲームの中で使われているにすぎない。

サアカシュヴィリの軍が南オセチアの反乱を攻撃し、ロシアがそれに反撃した時(少なくともグルジア市民の観点から)、グルジア人の代わりに抗議したのはアメリカであり、この出来事については100%ロシアが悪いといった嘘を吹聴した。ブレジンスキーはプーチンをヒトラーやスターリンと比較していたので、即座にこの計略の枠外に出ていた。

そして、南オセチアに対する攻撃を行ったグルジア軍を訓練したのはアメリカの盟友であるイスラエルだ。グルジアの首相でユダヤ人のテルミ・ヤコヴァシュヴィリは、イスラエルがグルジア軍を訓練した任務を称賛した。彼は、Israel Army Radio(イスラエル軍事ラジオ)においてヘブライ語でこう語った。「イスラエルはグルジア軍を訓練した自国の軍隊を誇りに思うべきです。」

あるレポートは、千五百人に及ぶブラックウォーター社(悪名高いアメリカの民間軍事/警備会社)の「教官」がグルジアの現場に来て、ことが起こるまでの十八ヵ月間にわたり、アメリカが大量の武器と弾薬を供給し続けていたと主張している。

サアカシュヴィリがこの危機を引き起こすために軍に南オセチア攻撃を命じるには、アメリカとイスラエルによる支援と承認(たぶん直接の指示さえ)を得ないと不可能である。サアカシュヴィリは彼らの犬であり、言われたことをしている。

アメリカとイスラエルの陰謀団は、イルミナティのアジェンダに沿った世界制覇を達成するために世界中で同じことをしている。そして多くの戦争は彼らとその操作者である、ロスチャイルド王朝なくして起こり得ないだろう。

あなたはブレジンスキーのような輩がイスラエルを公然と非難し、自身をイスラエルとの繋がりから遠ざけているのを耳にするだろう。だが、ロスチャイルドはイスラエルを支配すると同時に、円卓会議の組織群をも使役している。三極委員会はブレジンスキーが彼らの代理として設立した。

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全歩兵が一同に

全ては煙のように掴みどころがなく、鏡に映ったもののように見える。グルジアが南オセチアを攻撃している間中、それがグルジアの人々が受けた災難として映ったのは、ロシアの反撃のためだ。アメリカとアメリカがカスピ海周辺へ抱く野望にとっての災難でもある。これには別の見方がある。

第一に、ブレジンスキーとソロスを操っている権力にとっては、たとえ彼らがグルジアの人々を苦しめていたとしても何の問題もない。彼らが卑劣な行動を計画しているときに、そのことが彼らの心を揺さぶることはない。それは考慮される要素ですらないのである。

そして第二に、もしあなたが「アメリカ」を超越してアメリカそしてロシア、中国、EUとイスラエルをも支配している権力に目を向けるなら、もっとよく物事を捉えることができる。彼らは今、さらなる敵意、不安、恐怖と不信用を世界の重要地域に引き起こした。簡潔に言おう。彼らはまたもや分断と統治を行っているのだ。

彼らはまた、紛争の爪痕が広がる中で、アメリカの兵団と船団をグルジアに「人道博愛主義」のもとに送りこんだ。これはこれら全ての世界規模の軍事作戦が最終的に導く戦争、それが「超大国」としてのアメリカを破壊し、世界政府独裁を導き入れる第三次世界大戦への次の布石である。

グルジア紛争まっただ中の火曜日、アメリカがポーランド国内にミサイル「ディフェンス・シールド(防衛計画)」を配置するという協定が報告されたが、これはロシアとの緊張と敵意を増大させるために計画されていた。それは「ディフェンス・シールド」と呼ばれているけれども、ロシアはそのミサイルを敵に向けて発射することが出来ると知っている。ただ同時にグルジアの行動の背後にアメリカとイスラエルが潜んでいることも知っている。

ブレジンスキーがユーラシアに関して述べた計画はゲームの一つの段階に過ぎない。それがアメリカに関係しているだけだ。もっと高い段階になると、本当はブレジンスキー個人にとってのアメリカは、ロシア、中国、イランとその他の国に対して戦わせて、独裁者による世界専制政治を達成するためのゲームの駒でしかない。

統制と操作を行う究極の権力はこの地球上もしくは現実の中にすら存在しない。だからどのレベルでのゲームがこの「物理的世界」で行われようとも、それは依然としてピラミッドの頂点ではない。それ故に完全な全体像を持つことはない。

我々が操作するものと操作されるものといった観点からこの「世界」で見ることは、彼らのほとんどでさえその存在を知らない別次元の王や女王らの意思を押し進めるために、単に違うレベルの駒が別の駒を操作しているに過ぎないことなのだ。

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第三十三階位のメーソンで、「メーソンの偉大なる哲学者」であるマンリー・P・ホールはこう述べている。

「古代の参入者(フリーメーソンの)の地位を確定するのは実に難しい・・・彼らは地球上の王座の背後にいる見えない力であり、人類は唯の操り人形に過ぎず、見えない力が引っ張る糸に合わせて踊っているのである。我々は踊り子を見るには見えるが、踊らせている黒幕は沈黙のマントの影に潜み続けている。」

ありのままに見えるものは何もない。そしてそれは確かにグルジアで起こったことについてもそうだ。グルジアが歴史上の用語でどこに位置していたかも含め、あらゆる角度で見る必要がある。イルミナティの一族は遺伝子、象徴主義、それから彼らの歴史にとって重要な土地に執着している。だからこのゲームはそういったレベルでも行われているのである。

イラク侵略の背後にいるイルミナティ血族の多くは古代シュメールとバビロンにその流れを持つ。我々が今イラクと呼ぶ地がそこだ。

シュメール人はコーカサス山脈地域に定住したが、何世紀もかけて国々を通過して北に移動し、ロスチャイルド家を含む、東西ヨーロッパのアシュケナージ・ユダヤ人になる前は、ハザール人として知られていた。その古代ハザール人の土地は現在ある国の一部になっている……その国は今グルジアと呼ばれている。

このハザール人が別の土地に移動しその地を支配し続けている。その土地は今週グルジアで起こったことに深く関わっている……イスラエルだ。

そしてかつてハザール人だったエリート達は絶大な影響力をある国の政府に及ぼしている……アメリカである。

このゲームは非常に多くの側面をもっている。とりわけ重要なのは次の世界大戦の計画であり、その文脈のなかで、ユーラシアやカスピ海周辺地域に対する「ブレジンスキー・ドクトリン」は、別の観点で見ることが可能である。ブレジンスキーは著書『壮大なチェス盤(The Grand Chess Board)』の中でこう言っている。

「潜在的に、もっとも危険な筋書きとは、中国、ロシアそしておそらくイランによる大連合だろう。イデオロギーに依らず、不満を補足することによって一体となる「反ヘゲモニー」連合である。それは支那=ソビエトブロック( 共産中国、北朝鮮、北ベトナム)による挑戦の規模と範囲を思い起こさせる。今回は中国が指導的立場になり、ロシアがそれに続くという構図がもっとも有り得るように思われる。不測の事態を避けるには、おそらくはずっと先のことだろうが、ユーラシアの南の周辺地域、西部、東部において同時にアメリカの地政戦略技術を誇示する必要が出てくることになる。」

ブレジンスキーはここでアメリカの最良の利益について書いているように見える。しかしブレジンスキーの「アメリカ人」(本当は違う。ブレジンスキーはポーランド人だ)としての仮面の中を覗き、彼が国境をまたがる権力を代弁していて、アメリカに対する忠誠などないことを理解すれば、ブレジンスキーが表現していることは、我々が知るように、アメリカを崩壊させるよう仕組まれた第三次世界大戦の完璧な引き金になる。

今週のグルジアでの出来事は彼らにとって重要な次の一歩を踏み出す結果となった。もし「オバマ」が十一月に大統領に選出されれば、アメリカは実際にブレジンスキーとソロスをホワイトハウス内に引き込むことになる。もしあなたがそのことを察知するなら、世界大混乱の可能性を見ることになる。

【翻訳委員会◇D】

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コメント:1

豊田義信 09-08-29 (土) 13:44

貴重な情報をありがとうございます。

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